SolemnAir

最初にカテゴリー「はじめに」をお読みください。(2017年版になってます!)
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「噛み合わない二人旅7」
あなたに会わないまま日々は流れ
互いにシミのような濁点を残し関わらない時間が過ぎる

あれほどまでに濃密な空間だったというのに
今は天然水よりも爽やかに軽く互いを素通る

まるで既に終わった事のように


あなたがわたしの心を試す時
わたしはあなたの心を愛しく感じながら踏みにじり
わたしがあなたの心を試す時
あなたはわたしの心を理解しながら握り潰す

その嘲りと本気に満ちた心遊びは
決して恋や愛などではなく偏愛や偏執に近く

あなたに残るしこりが
わたしに残るシミが
それぞれに残した濁点が
なにかを証明したがるように強く強く主張する


あなたはわたしから離れ違う人と戯れの中
わたしはあなたから離れ違う人と戯れの中

わたしは会わないまま日々が流れ
濁点が
関わらない時間に疼き始める時

あなたもわたしも互いに心を試す


違う人との戯れの中でもなお疼くこの濁点を
おまえはなくせるか と

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(C)MAhime_uamo
This story is not about me.But a feeling is true.
そして、会う二人の濁点は強さを増すばかりの逆説
「噛み合わない二人旅」 - - uamo72
「噛み合わない二人旅」6
とても会いたいのに
どこかこのまま会えないままで、とほっとしてる

あんなことがあった
こんなことがあった
報告しては聞いて欲しいのに
自分がそう思うだけでどこか伝わった気がしてる

美化したままのあなたはゆっくりと私の言葉を受け止め
私のして欲しいようにそれを理解してくれる

だから
私の感じる全てをあなたに受け止めて欲しいのに
どこかで
あなたとの差異を感じる前に立ち止まり触れずにいる



ここが理解の頂点だと
これ以上は下降の一途、失うばかりだと



どれほどの言葉を使っても足りないのは
どんな言葉も感覚的な理解の前には役立たずだから

街中でふっと立ち止まった理由を
何も言わずに察してくれるあなたには
どんな言葉も無意味で

言葉がない場所に理解が在る時
言葉がある場所には何が拡がっているんだろう?


とても会いたいのに
どこかこのまま会えないままで、とほっとしてる
なのに無性に会いたくなるのは
報告しては聞いて欲しくて
自分がそう思うだけでどこか伝わった気がして
それは単なる思い違いだと知っているから


そしていったい何を言葉に代えて伝えようとするつもり?
言わなければ言わないほど本当の理解に近づくのに

哀しい哉
言わなければ言わないまま形にすらならないこの想い

感覚的な理解が頂点ならば
視覚的で思考的な手段はどちらかに寄るだけの偏執

私の感じる全てをあなたに受け止めて欲しいのに
あなたとの差異を感じる前に立ち止まり触れずに
共有するその感覚を名づけることができないまま
喉元まででかかった具現化の失敗を繰り返す



言葉にならない想いをあなたが受け止めてくれたとき
あなたが受け止めたものが
本当に私の伝えたい想いかどうかは確認しようもない
けれどそこに伝わったという根拠なき確信を持つとき
言葉に代えて形を歪めることをしない両者の間には
無言という名の伝達手段しかありえない


言葉以外の送受信を頼りにした
その泥沼に踏み入るような感覚に

とても会いたいけど
このまま会えないままでもつながっていると錯覚して堕ちていく


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(後で若干手直し入れるやも知れませぬ)
「噛み合わない二人旅」 - - uamo72
噛み合わない二人旅 5
偶像化してる
あなたはわたしの理想
その権化だと

抽象化する
こんな人じゃなかった
こんな筈じゃなかった
はっきり引いた線をぼやかして

理想のままに盲信していく



解っている
あなたはわたしの理想のためにいるんじゃないって事
わたしもまたあなたの理想のためにいるんじゃないから

思い通りの相手だと信じて
「どうしてそんな勝手なことばかり言うの?」
なんて勝手な期待 と 勝手な圧しつけ
すらもでないほどに
理想を書き換えていく
理想があなたなのではなく あなたが理想だと


本物が事実上どうかなんてもはやどうだっていい
狂信者のように
あなたがわたしの理想だから
あなたの為すこと全て 全てが理想なのだと

何一つあなたを見ずに
自分があなたを好きだという自分の想いに溺れて笑う



そして
あなたもまた
もはやわたしがどう思うかなんてどうだっていい
あなたが大事にするのは自分だけ

わたしの中のあなたの偶像がいかほどでも
あなたは是正しない

わたしがあなたをどれだけ理想だと奉って崇めても
あなたの理想はわたしではないから
わたしはあなたの理想には成り得ないから


わたしは自分の中の偶像に溺れ
あなたは溺れるわたしを横目に沈めながら違うほうを見ている

それは噛み合わない二つの権化

2009.08.10 (C)MAhime_uamo
「噛み合わない二人旅」 - - uamo72
「噛み合わない二人旅」4

言葉はいつも最小限で
心はいつも最大限で

目線を動かしただけで理解し
行動一つでその意を汲む

離れたくないよと互いに思っているのに
そんなことはおくびにも出さない

わからないふり
知らないふり

言ってしまえばそれは虚構の始まり
態度で示してしまえばそれは崩落の始まり

素直にならないのは
隠し保っているものがあることを重々承知だから
屈折しているのは
直情的な刃は疼くような痛みを膿むと知っているから


理解はいつも範疇内で言外の場所



あなたはわたしのものではなくて
わたしはあなたのものではなくて

それがとてもかなしくて
だからおいつづけるそれは飢餓


あなたとわたしがおなじならば
これほどまでに伴わなかった

自分をただ映せばいいだけのこと
自分を抱けばいいだけのこと


あなたとわたし
異なるものだから

わたし それが欲しい
けれど それは言わない


相手が自分じゃないその差異に近づくことはとても怖いから
あなたとわたし よく似てるよねと言って笑ってごまかす


同じじゃないから求めて
同じじゃないからいつまでも共にじゃない
いつまでも共にいたいから


言葉はいつも最小限で 心はいつも最大限に
済ませ 捉え 互いの領域を踏み 占める


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2009.6.21 (C)MAhime_uamo
「噛み合わない二人旅」 - - uamo72
「噛み合わない二人旅」3
「酸欠の火」


優しく撫でてけれど一時だけの快感なら
初めからその意味を知らないほうがよかった
頑なに拒んで最後には貫通を許すなら
終いにはその意味ごと抱えて重たい荷物を背負う

強欲の涙に制圧の雫

優しく撫でてそれが一時だけだとしても
その意味を知りたかった
頑なに拒んで最後には貫通を許す
その意味を知りたがったから

押し当てて抑えつけて ただ解りたがった

どれだけの温度を知っても
何回心臓が動くことを確かめても
互いの中に入りきらずに貫通してしまった
中を通って擦れ違ってしまった

穴があいた心はうろ
何も持たないただのうろ

優しく撫でて手折れたものは
頑なに拒んでも侵食を免れずに
その意味はそこに留まらなかった
なぜなら
それは貫通してしまったから

通り過ぎゆく一点のゲート

その意味を留めたかったのなら
突き破ってはならなかった
その向こう側を見てはいけなかった

優しさと拒絶の駆け引きに心を燃やしきってはならなかった
その火を絶やしてはならなかった


優しく撫でてけれど一時だけの快感なら
初めからその意味を知らないほうがよかったのに
頑なに拒んで最後には貫通を許したから
終いにはその意味ごと抱えて重たい荷物を背負うはめになって
意味が忽然と姿を消して 呆然と終わってしまっても


その優しさと拒絶の思い出は炭のように燻って
この心のうろを暖め続けている



2009_6_5 uamo This story is a fiction.
「噛み合わない二人旅」 - - uamo72
「噛み合わない二人旅」2
どこか手に入れたと思ってる
絶対に手に入らないと思ってる
それでいいとさえ 思ってる

独立したあなた
依存するわたし

たたみかけても崩れゆく構成
何一つ壊れることのない安定

あらゆることが矛盾しているようで
全てが一貫して拒絶の嘘と許容の真


あなたがわたしのことを
わたしがあなたのことを
必要とせず 必要として

あなたはいつも
わたしはいつも
求められて 求められずに 

まるでパラサイト生物だと切って棄てる
けれどいつだって見える場所に居るのは

手を伸ばしても届かない だからこの手を伸ばさない
伸ばさないから少し近づく そして触れそうな距離

絶対的な空白の距離
相対的な意味の真意


触ったら 壊れることに気づいているから それは


近づけない これ以上近づけない
近づかない これ以上近づかない

手に入れたと思っているのはどっち
手に入らないと思っているのは

そこに横たわる感情の納得と
底に敷かれた干渉の可動域



時々危ういこの関係は その安定を乱しながら
好きに基づく哀しい不協和音を奏で

独奏者二人 同じステージで同時には歌えないことを知っている
「噛み合わない二人旅」 - - uamo72
「噛み合わない二人旅」1
他の人と話さないで
誰とも目を合わせないで
私以外の誰にも優しくしないで

誰とも話さないあなたはあなたじゃなくて
誰とも目を合わせないあなたは嫌
私以外の誰にも優しくしないあなたは違う


この独占欲をどうか満たして
けれど満たされたらこれが終わることを知っている
全部を自分のものにしたいのに
どこまでも私になびかないあなたがいい

独占欲を満たさないだけの独立性
あなたは私じゃなくて どこまでも私じゃなくて
独立した誰かだから 生きていくのに私ほど私を必要としない

私がどこへ行ってもあなたはどうでもいいと手を振る
何をしていてもあなたはお構いなしに自分のことをする
独立性にひかれる依存性はどこまでも不毛

どこまでもあなたが私のものにならないことを知ってる
だからこの想いが終わることもないのだと 知っている
手に入ったらこれが全て終わるから
この手中に収まらないのだということも


依存性を知りながら無視する独立性
それでも関与が続く どこまでも噛み合わせないままの二人旅
「噛み合わない二人旅」 - - uamo72
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